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帰郷~しばしの休息~
2007年11月30日 (金) | 編集 |

目的地までの道は知っているし、ちょうど同じ方向に用事があるのでと、
とりあえず近くまで案内すると道を教えられ、歩くこと約1時間。
途中で少し迷ったり休んだりと時間を取られたので、
予定よりは遅くなったが何とか近くまで辿り着けた。
旅は道連れの言葉通り、
今現在、横には電車で一緒になった青年。
探している家はこの近くの筈だから、とりあえず腹ごなしでもと提案され、
時計を見れば既にお昼過ぎ。
お腹も減っていたので素直に頷き、現在茶処の看板の下がる店先で二人並んで休憩中。
甘いお団子と、お抹茶をデザートに幸せ気分。
あの時声を掛けられなければ、きっと今でも道に迷っていただろう。
感謝の気持ちを込めつつ、じっと横顔を眺めていると、
「何だ?団子足りんのか?ほれ。」
無愛想だけど面倒見が良くて、
ぶっきらぼうに見えて優しい青年は自分に団子を差し出して、
「頑張ってちびっこがここまで歩いたんや、ようさん食べとけよ。」
と、わしゃわしゃと表情変えずに頭を撫でくり回した。


「この辺までそないな格好で歩いてくるなんて、よっぽどの物好きやな。」
呆れた様な表情で紡がれた言葉にぽかんと口を開けて、
何も言い返せず唯視線を返すだけ。
「…観光じゃなさそやな…。どこまで行くんや?」
言葉を返せずにいると、眉間に皺を寄せつつも心配そうな口調で優しく問いかけてくる。
「あ、ええと、こ、この辺りのお家を探してるん…ですけど。」
慌てて手に持っていた地図を指差して、大きな古い屋敷をを探していると告げる。
「…この辺には、そないたくさん家なんてないから…すぐ分かりそうやな。…それにしても場所も分からんで何しに行くんや?親戚の家におつかいか、なんかか?」
場所も分からないのに実家があるなんて言えば、怪しまれることは目に見えていて、
「そ、そうなんで…す。か、家族に頼まれて、届け物を…。」
咄嗟に誤魔化すと、青年は納得したようで、
「ちっこいのに大変やな。」
と、ぽんと頭に手を載せて。
「どうせ近くまで行くから案内しよか、旅は道連れって言うやろ?」
青年はぎこちない笑みを浮かべて手を差し伸べた。

どうも最初に会った時点から相当年下に見られているらしく、
自分に対する対応は、まるで幼稚園児のお守りをしているお兄さんという感じだ。
くしゃくしゃにされた髪をウイッグがずれないように手で梳かしつつ、
「…えと、一体何歳くらいと思ってるん…ですか?」
恐る恐る尋ねると、青年は躊躇ったように口を閉ざしてから、
「…そんなちっこい訳でもないんか?」
とまじまじと自分の顔を見つめる。
「…これでも…高校生なん…ですけど。」
刹那、青年の顔が一瞬固まって、そして考え込むように頭を抱える。
「こ、高校生…やったんか…。てっきり小学生か…中学生あたりやと…。」
何となく予想通りの答えに、ちょっと悲しくなりつつも、
「き、気にしてない…ですよ。」
と苦笑い。
ところでお兄さんは?と問い返せば、
「何歳に見えよる?」
と逆に問い返されて、
「…え、ええと、社会人さん…ですか?」
そう返すと、青年が大袈裟に肩を落として落ち込む。
「まだ学生なんやけどなー…。」
そう呟く仕草も何だか老成していて、笑いを堪えられなくなって吹き出す。
すると釣られて青年も小さく笑みを零す。
短い間のほんとに些細な会話だけど心は解れて。
暗くなっていた気持ちは何故だか今は晴れやかで、清清しかった。
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